花帆
花帆
おつかれさま、さやかちゃん。
頑張ってるねえ。
さやか
さやか
はい、おかげさまで。
さやか
さやか
花帆さん。
花帆
花帆
んー?
さやか
さやか
改めて、謝らせてください。
さやか
さやか
花帆さんが、体調を崩すようなことまでして見つけ出した機会を……
あなたのいないところで、ふいにしてしまった。
花帆
花帆
だからさやかちゃんのせいじゃないって。
あたしが居れば大丈夫だったなんてこともないし。
さやか
さやか
そんなことはっ。
さやか
さやか
ではなくて。
それでも前を向いていられるのは全部、花帆さんのおかげです。
さやか
さやか
わたしはただお礼を言いたかっただけです。
花帆
花帆
……。
あたしのおかげ、かあ。
さやか
さやか
はい。 それで、今度は何を思いついたんですか?
花帆
花帆
……思いついたら、乗ってくれる?
さやか
さやか
はい、もちろん。
花帆
花帆
あたしの思い付きは、必ずいい方向に転がる、って?
さやか
さやか
はい。
花帆
花帆
あたしね。
ラブライブ!出ることにするよ。
さやか
さやか
ーーえ?
花帆
花帆
ラブライブ!は夢を叶えられる場所。
花帆
花帆
あそこにもう一度立って、あたしはあたしの夢をもう一度、
あの舞台で叫んでくる。
花帆
花帆
そうしたらきっと、ステージを提供してくれる人も居ると思うんだ。
今回のロックフェスみたいにさ。
さやか
さやか
……。
花帆
花帆
だからさやかちゃんには、この先のみんなを引っ張ってほしくて。
花帆
花帆
今回一緒にみんなのお手伝いをして、気づいたの。
みんなそれぞれ、どうしたら花咲けるのか、分かってるんだって。
花帆
花帆
だったら、うん。
花帆
花帆
あたしの夢がみんなの夢になってくれた以上、
この花咲くステージそのものに対してあたしがやることは、
もう終わってるんだ。
さやか
さやか
ちょ、ちょっと待ってください!
さやか
さやか
それは、まるで、
花帆さんは花咲くステージには出ないと言っているような……!
花帆
花帆
そうだよ。
さやか
さやか
っ!
花帆
花帆
あたしの夢は、もうみんなの夢。
花帆
花帆
みんなの夢が叶うように、
あたしはあたしにできることがしたい。
花帆
花帆
それが、あたしがラブライブ!に出ることなんだ。
だから……花咲くステージは吟子ちゃんたちに……来年に、託すよ。
さやか
さやか
花帆さん!
ラブライブ!に出たところで、事態はそう変わりません……!
さやか
さやか
それでステージを手に入れられるというのなら、
もうラブライブ!を優勝した花帆さんが、
声をかければ達成できているはずです!
花帆
花帆
それは……。
花帆
花帆
だったら、だったらラブライブ!じゃなくてもいい。
来年のロックフェスでも、すごいミュージカルでも、なんでもいい。
花帆
花帆
あたしたちを知らない人のところで、あたしの全力をぶつけて、
あたしの夢を助けてくれる人を探すから。
花帆
花帆
とにかくあたしが、みんなのためにやれることをする。
じゃなきゃ、夢には、届かないんだ。
さやか
さやか
花帆さん!!
さやか
さやか
言っていたじゃないですか!
違うものを目指すからこそ、ラブライブ!には出ないと!
さやか
さやか
ひとりではなく、みんなで叶えるんだって!
そこにあなたが居なかったらなんの意味もない!
花帆
花帆
分かってる。 分かってるよ。
花帆
花帆
でも自分で届かないんだったら、せめてそのためにできることを、
やりたいよ……。
さやか
さやか
だったらまた考えましょうよ!
花帆さんならきっと良い案を思いつくはずです!
さやか
さやか
そうしたらわたしがいつだってあなたを支えてーー。
花帆
花帆
だから……それだよ!!
花帆
花帆
あたしの思いつきが必ず良い方になるなんて……!
花帆
花帆
とっくに、あたし自身が信じられないよぉ……!!
さやか
さやか
あっ……。
花帆
花帆
あたしの夢は、あたしだけの夢じゃないって分かった!
嬉しかった! もう十分!
花帆
花帆
あたしを支えるっていうなら……言うこと聞いてよさやかちゃん!!
さやか
さやか
そう、ですね。
さやか
さやか
わたしは確かに、あなたの言うことを聞いていただけでした。
あなたをこんな風にしたのは、わたしだ。
花帆
花帆
っ……! なに!
そうやって、全部自分でしょいこめば良いみたいなっ……!
さやか
さやか
花帆さんだってそうじゃないですか……!
自分の夢を自分で叶える以上にやりたいことってなんなんですか!!
花帆
花帆
みんなが花咲くことだよ!!
花帆
花帆
スクールアイドルクラブに入ってから、
ずっとみんなで花咲きたいって思ってた。
花帆
花帆
その想いはどんどん強くなって……それで、思ったんだ。
みんなが花咲いてくれるなら、あたしはその中心に居なくたっていい。
花帆
花帆
夢のお手伝いができるなら、もう十分だよ。
ちゃんと、考えたんだ。
花帆
花帆
あたしがやる。 さやかちゃんにはやらせない。
さやかちゃんが花咲いてくれなかったら、なんの意味もない。
さやか
さやか
……。
花帆
花帆
分かって、くれた?
さやか
さやか
でもっ……。
花帆
花帆
分かってよ……お願い。
あたしは……あたしは。
花帆
花帆
あたしは……これが精いっぱいだよ。
“本当のあたし”は。
さやか
さやか
っ……!!
さやか
さやか
……ごめん、なさい。
花帆
花帆
……。
さやか
さやか
失礼しますっ……。
花帆
花帆
さやかちゃん……。
さやか
さやか
わたし……わたしは。
さやか
さやか
花帆さんが笑ってくれていないと……花咲くなんてとてもできません……。
花帆
花帆
っ……!
さやか
さやか
あなたのために何もできない、できなかった自分が……
あまりに情けないです……。
花帆
花帆
そんなこと……言われたって……。

さやか
さやか
わたしは……何をやっていたんでしょうね。
さやか
さやか
花帆さんを支えると、口ではそう言っておきながら……。
さやか
さやか
わたしたちがどうすればいいのか、
その全てを花帆さんに全部乗せてしまっていた。
さやか
さやか
潰れるに決まってるじゃないですか……そんなの……。
わたしは、なんのために……。
さやか
さやか
花帆さんの言ってることは間違ってない。
さやか
さやか
わたしたちの全力に、共感してくれる人を探す。
さやか
さやか
ロックフェスと同じように、ステージを使わせてもらえるような場所、
大会……そういうところに打って出て……。
さやか
さやか
考えろ、これすらできなかったら、
いよいよ部長の資格なんてどこにもない……。
瑠璃乃
瑠璃乃
ここに居たかー。
さやか
さやか
瑠璃乃、さん。
瑠璃乃
瑠璃乃
探したよもう。
花帆ちゃんもそうだけど、全然返信くれないんだもん。
さやか
さやか
すみません、気が付かなくて……。
瑠璃乃
瑠璃乃
良いって良いって。
こうして見つけられたんだしね。
瑠璃乃
瑠璃乃
ただ……なんかあったの?
さやか
さやか
はい……。
瑠璃乃
瑠璃乃
さやかちゃんと花帆ちゃんがダブル部長であるよーに、
ルリにもふたりを支えるってゆー役割があるからね。
瑠璃乃
瑠璃乃
何があったか聞かせてよ。
花帆ちゃんは何も言ってくれなくて。
さやか
さやか
花帆さんにも会ったんですね。
……まあその、ちょっと方向性の違いで。
瑠璃乃
瑠璃乃
解散の危機みたいな言い方しないでよ。
さやか
さやか
……。
瑠璃乃
瑠璃乃
え、まじ???
さやか
さやか
解散、というわけではないのですが。
まあ、どうにかしますよ。
瑠璃乃
瑠璃乃
どうにかしますよじゃなくて。
瑠璃乃
瑠璃乃
……さやかちゃん。 聞かせて。
ルリが支えたいみんなには、部長も入ってるんだよ。
さやか
さやか
……瑠璃乃さんは優しいですからね。
さやか
さやか
でも……だからこそ。
瑠璃乃さんにはちょっと、これは聞いてほしくありません。
瑠璃乃
瑠璃乃
えっ……。
さやか
さやか
わたしがやるべきこと、やりたいこと。
その辺りの整理は、済みました。
さやか
さやか
だから大丈夫です。 信じて任せてください。
頼ることを思いついたら、頼りますから。
瑠璃乃
瑠璃乃
……。
瑠璃乃
瑠璃乃
花帆ちゃんにも、同じこと言われたよ。
瑠璃乃ちゃんは優しいからって。
さやか
さやか
……そう、ですか。
瑠璃乃
瑠璃乃
ルリって、そんなに頼りないかなあ?
さやか
さやか
っ、そういうわけでは!
ただ、聞かせてしまったら瑠璃乃さんには無理をさせると……。
瑠璃乃
瑠璃乃
だからそれが……!
小鈴
小鈴
さやかせんぱーい!!!
さやか
さやか
小鈴さん。
瑠璃乃
瑠璃乃
みんな。
小鈴
小鈴
は!
なんかお話し中でしたか!
さやか
さやか
いえ……。
瑠璃乃
瑠璃乃
なにか……いいことあったかな?
小鈴
小鈴
あ、はい!
徒町も、徒町の思うことをしようって。
小鈴
小鈴
それで……今回のイベントについて、姫芽ちゃんたちに相談したんです。
小鈴
小鈴
やっぱり、寂しいなって思ってて。
みんなで頑張ったこのロックフェスが、チャレンジ失敗! で終わっちゃうのは。
姫芽
姫芽
ども~。 小鈴ちゃんに触発された組で~す。
敗北の原因を調べるのは、いちゲーマーとしてもあるべき姿~。
吟子
吟子
さやか先輩は、最初から間違ってたって言ってましたけど……
そんなことはありませんでしたよ。
さやか
さやか
それは……どういう。
セラス
セラス
準備が足りなかったっていうのはそうかもしれませんけど……
それはそれとして、
わたしたちはわたしたちのやりたいことを全部ちゃんと乗せました。
セラス
セラス
それがまったく通じなかったら、やっぱり落ち込むなあと思いまして。
セラス
セラス
本当にそうかな、っていうのは、
一度ちゃんと調べておきたかったといいますか。
小鈴
小鈴
だから……聞いてみました!
小鈴
小鈴
蓮ノ空の感想はほとんどなかったけど……
ロックフェス行ったって人をSNSで見つけて……かたっぱしから、
徒町たちどうだった!? って!!
瑠璃乃
瑠璃乃
ええええ!?
セラス
セラス
めちゃくちゃ、大変だった。
さやか
さやか
それは、そうでしょう……。
泉
泉
その割にみんな、機嫌は良いけどね。
小鈴
小鈴
だって、意味はありました!!
ちゃんと、楽しかったって言ってくれた人も居たんです!!
小鈴
小鈴
徒町たちにとって、なんの価値もないイベントじゃあ、無かったんです!
ちゃんとメッセージももらえました!
小鈴
小鈴
この人も、この人も、この人も。
これからの蓮ノ空、興味出たかもって!
さやか
さやか
……小鈴さん。
吟子
吟子
どうでしょうか、さやか先輩。
私は小鈴と一緒に色んな人と言葉を交わして、次も頑張ろうって思えました。
さやか
さやか
……。
小鈴
小鈴
あう……やっぱり意味なかったでしょうか……。
さやか
さやか
いえ、いいえ。
さやか
さやか
わたしも……次、頑張ろうって、思えました。
そして……次、頑張ろうって、思ってほしい……。
泉
泉
さやか先輩?
もしかして何か……。
さやか
さやか
大事なのは、気持ち。
それを、最初からわたしは知っていたはずです。
さやか
さやか
なのに、行動や結果ばかりを評価して……
わたしは、肝心なことを忘れていました。
瑠璃乃
瑠璃乃
……。
さやか
さやか
すみません、みなさん。
ちょっと、花帆さんのところに行ってきます!
瑠璃乃
瑠璃乃
あ……うん。
さやかちゃん。
さやか
さやか
はい。
瑠璃乃
瑠璃乃
がんばって。
さやか
さやか
はい。