
吟子
吟子
これだけBloom Garden Partyの準備が大詰めになってくると、
本当に年度末が近づいてきたって感じがするね。
小鈴
小鈴
来月にはもう先輩たちも居ないんだし、立派にならないと……!
泉
泉
ふむ。 来月、来年を迎えるにあたって、
泉
泉
今のうちに話しておかなければいけないことが
実はもうひとつあるんだが、いいかな。
泉
泉
セラス。 あなたの所属ユニットは、そろそろ決まったのかな?
セラス
セラス
所属……ユニット……!?
セラス
セラス
いや、まだ、だけど……。 ていうかほら!
入っていいかどうかもお茶菓子持ってお伺い立てに行ってないし!
小鈴
小鈴
あ、こっち待ちだった!?
大歓迎だよ!?
姫芽
姫芽
うちもうちも!
吟子
吟子
まあ、当たり前だけど、拒む理由はないっていうか。
泉
泉
だそうだ。 良かったね。
じゃあ決めたらいい。
セラス
セラス
そんな球技大会のチーム分けみたいなノリで言う!?
泉
泉
なに、ユニットのパートナーとして、最後のお節介がしたくてね。
セラス
セラス
しおらしいこと言って、わたしの逃げ道を塞ぎに来てる……!
泉
泉
というか本音を言うと、まだ決めていないことがむしろ意外だったんだ。
ここまで引っ張っているのは、なにか特別な理由があるのかな?
セラス
セラス
そういうわけじゃ、ないけど……。
姫芽
姫芽
せらりん?
セラス
セラス
いやその……。 どのユニットも魅力的で……ですから、あの、その。
セラス
セラス
……いえ、わかりました。
セラス
セラス
スリーズブーケ……DOLLCHESTRA……みらくらぱーく!……。
小鈴
小鈴
鉛筆転がしてユニット決めようとしてる!?
泉
泉
それがあなたの本当にやりたいことなのか。
セラス
セラス
本当にやりたいこと。
……はっ、そうだ!
セラス
セラス
わかりました、みなさん!
わたしも……ソロをやります!
小鈴&姫芽
小鈴&姫芽
えー!?
吟子
吟子
なんでそうなるの!
セラス
セラス
これが本当にわたしのやりたいことだったんです!
今この瞬間気づきました! 今までのことぜんぶウソでした!
吟子
吟子
信じるわけないでしょそんなん!
泉
泉
ユニット体験が楽しかったことも、
どのユニットも大好きだって言ってたことも、かな?
セラス
セラス
え……。
セラス
セラス
ど、どのユニットのことも好き、だけど……。
セラス
セラス
そ、そう! わたしはわたしの力を試したいんです!
ひとりでどこまで行けるかを! それがみんなの光になるんだよ!
セラス
セラス
わたしは来年はソロユニット、輝かしきリリエンフェルトになります!
それでは失礼して……ぐぐぐ、失礼、失礼します!
小鈴
小鈴
行っちゃった……。
小鈴
小鈴
え、セラスちゃんの進路これで決まり!?
吟子
吟子
あんなのが本心なわけないでしょ!
姫芽
姫芽
まあ、本心だったら逃げる必要ないからねぇ~。
泉
泉
……予想ではあるけれど。
泉
泉
セラスは私がソロを志した決意を理解してくれている。
泉
泉
だとすれば本心ではないどころか、
今頃はごまかすためにソロと宣言したことすらも、
泉
泉
私の覚悟に水を差したのではないかと、後悔しているだろうね。
吟子
吟子
ありそう……。
なんてめんどくさい……。
小鈴
小鈴
……だ、だったら!
どうにかして説得したいよ!
姫芽
姫芽
確かに、あのままにしてても良い方向には転がらなそうだよね~。
吟子
吟子
まあ、いいんじゃない? 多少は強引に勧誘しても。
それで見えてくるものも、あったりするんじゃないかな。
姫芽
姫芽
お、実体験かにゃ~?
吟子
吟子
安養寺さん。 今はセラスさんのお話ですよ。
姫芽
姫芽
は~い。
姫芽
姫芽
だったら、早速探ってみよ。 そんで、
せらりんの心を溶かした人が、ユニットの相手にふさわしいってことで!
吟子
吟子
またそうやって勝負みたいに……。
小鈴
小鈴
徒町、全力でぶつかってくる!
小鈴
小鈴
徒町は本気で、セラスちゃんが来年、
DOLLCHESTRAを選んでくれたらって思ってたから……!
吟子
吟子
しょうがないなあ、ほんとに!
世話が焼ける後輩!
泉
泉
ありがとう……ふふ。
泉
泉
まったく……こんなにいい先輩が揃っているというのに。
セラスはなにを、意地張っているんだか……。

姫芽
姫芽
おっはよ~せらり~ん。
セラス
セラス
うぇっ……。
お、おはようゴザイマス……。
姫芽
姫芽
う~ん?
姫芽
姫芽
だいじょぶだよ~。 無理に勧誘したりはしないからね~。
それより荷物持とうか?
セラス
セラス
なんでですか!? 言ったことありませんよね!?
姫芽
姫芽
いやいやそんなことは、あ、歩道側をどうぞ。
セラス
セラス
デートみたいなエスコート!?
姫芽
姫芽
困ったことがあったらいつでも言ってね~?
セラス
セラス
強いていうなら今なんですが!
姫芽
姫芽
ええ!? ユニット選びに悩んでいる~?
それはせんぱいとしてアタシがサポートしてあげなきゃ~!
セラス
セラス
やっぱりそういうやつじゃないですかぁ!
セラス
セラス
決めたんです! わたしはソロで行くって!
セラス
セラス
なぜならわたしはぜんぶ自分の思い通りにしたいワガママ娘だから!
ソロしか生きる道がないんですー!
姫芽
姫芽
あら~、失敗失敗。

セラス
セラス
はあ……。
吟子
吟子
はい、コーヒー。
セラス
セラス
げ、吟子先輩。
吟子
吟子
そんな声出すことはないんじゃない?
せっかくアンニュイな雰囲気な後輩に、なにかしてあげようと思ったのに。
セラス
セラス
それはありがたいんですけど……。
朝、姫芽先輩にも会いまして……。
セラス
セラス
吟子先輩がわたしのためだけにコーヒー入れてくれてるのが
もう怪しいと思っちゃうのは自意識過剰ですかね……?
吟子
吟子
そ、んなことはないよ? いつも通り。
たったひとりの後輩は労ってあげないとね。うん。
セラス
セラス
……なるほど。
セラス
セラス
あー、肩凝っちゃったなー、首が重いなー。 おやおや?
そこに居るのは後輩を労ることに定評のある吟子先輩じゃないですか!
吟子
吟子
こ、こいつ……!
吟子
吟子
……わかった。
セラス
セラス
え、ほんとにですか?
セラス
セラス
お、おお……? 吟子先輩、なかなかやるじゃないですか。
来年の文化祭はマッサージ屋いけますね!
セラス
セラス
あ、もうちょっと強くてもいいですよ。
吟子
吟子
いきなり調子に乗って……。
セラス
セラス
ふっふっふ。 魂胆は見え透いているんですよ。
わたしの入るユニットをみんなで探ろうっていうんでしょう。
セラス
セラス
存外、黙っていればこうしてみんながセラスちゃんを
かわいがってくれるというのなら、 このままというのも悪くなーー。
吟子
吟子
村野式マッサージ・爆裂肩。
セラス
セラス
なんですかその技名いいい痛い痛い痛い!!!
吟子
吟子
花帆先輩が疲れを痛みで誤魔化すために使ったと言われる伝家の宝刀。
重い肩ごと爆破する勢いで肘を肩に突き刺す最凶のマッサージ、だよ。
セラス
セラス
さやか先輩泣きますよそんな名付けされたら!
吟子
吟子
大丈夫。 健康にはいい。
セラス
セラス
なにも大丈夫じゃない!
やめて痛い痛い痛いですってば! ほんとに爆裂します!
吟子
吟子
そうだよね。 ご機嫌取りなんかより、私はこっちの方がやりやすかったよ。
このまま聞かせてもらうから。 本当はどこのユニットに入りたいのか。
セラス
セラス
それは拷問って言うんですよ!
セラス
セラス
未来への逃亡!
吟子
吟子
しまった!
セラス
セラス
わたしは屈しません!
わたしはわたしの声が好きすぎるので、ソロ活動しかしたくないんです!
セラス
セラス
そういうことに、今決めましたからー!

セラス
セラス
ふう……。
小鈴
小鈴
あ、セラスちゃーん!
セラス
セラス
ひっ。
小鈴
小鈴
ひっ!? なんでそんな怯えられてるの!?
セラス
セラス
小鈴先輩もあのふたりみたいに、わたしに尋問する気でしょう!
そんなあどけない顔をして! その手には乗りませんよ!
小鈴
小鈴
なにをしたんだあのふたりは……。
かわいそうに、こんなにふるえて。
セラス
セラス
ぷるぷる。
小鈴
小鈴
でも……セラスちゃんは、
どこのユニットにも入りたくないっていうのは、やっぱり本当?
セラス
セラス
は、入りたくないってわけじゃ……。
ただわたしはその……いえ。
セラス
セラス
そ……そうです!
小鈴
小鈴
そっかあ。
小鈴
小鈴
でもさ、セラスちゃんが心から絶対にソロがやりたいって、
実はあんまりみんな信じてなくて……。
小鈴
小鈴
徒町もね、なにか隠してるんじゃないのかなあって思ってるんだ。
セラス
セラス
うっ。
小鈴
小鈴
セラスちゃんはきっと言いたくないことだってのも、
なんとなく、徒町はわかってる。
セラス
セラス
……それは。
小鈴
小鈴
なので! 心理テストを用意してきました!
セラス
セラス
……へ? え、心理テスト?
小鈴
小鈴
そう! 言いたくないなら、なんとなく感じ取ればいい!
セラス
セラス
感じ取られたら、だめじゃないですか!?
小鈴
小鈴
大丈夫大丈夫、どのユニットに入りたいですか、
みたいなことは聞かないから! ちゃんと作ってきたんだ!
セラス
セラス
今度はこういう手なんですね……!
セラス
セラス
小鈴先輩がせっかく作ってきたものを
むげにはできないという後輩心理を突く完璧な作戦……!
小鈴
小鈴
じゃあ第一問! 今一番ぱっと出てくる好きな色はなんですか!
セラス
セラス
え、ええと。
小鈴
小鈴
いち、ピンク。
セラス
セラス
あ、選択式なんですね。
小鈴
小鈴
に、青。 さん、黄色。 はいどーれだ!
セラス
セラス
どこかの3ユニットの色です……?
小鈴
小鈴
にこにこ。
セラス
セラス
わたし的にはー、えっとー。
ライズスカーレット? とかいいかなと思うんですがー。
小鈴
小鈴
ライズスカーレット!?
ば、ばかな……それではやはりソロになってしまう……!
セラス
セラス
所属ユニットの話なの隠す気がない……。
小鈴
小鈴
セラスちゃん、次やろうか次!
セラス
セラス
え? あ、はい……。
小鈴
小鈴
じゃあ次の心理テスト!
カタカナとひらがなと英字だったらどれが好き?
セラス
セラス
スリーズブーケ、みらくらぱーく!、DOLLCHESTRAだ……。
小鈴
小鈴
にこにこ。
セラス
セラス
漢字とかですかね。
小鈴
小鈴
はうぁ……!?
小鈴
小鈴
そ、そんな……徒町の完璧なプランが崩壊を始めている……!
セラス
セラス
小鈴先輩、心理テスト得意じゃないんですね……。
セラス
セラス
あの、小鈴先輩。
逆に、わたしからの心理テストやりませんか?
小鈴
小鈴
え!? セラスちゃんも心理テストを!?
セラス
セラス
あなたにとって優しくてお世話をしてくれて
憧れの人をひとり思い浮かべてください。
小鈴
小鈴
ええ!? さ、さやか先輩しか思いつかない!
セラス
セラス
その人が、今あなたにとても会いたがっている人です。
小鈴
小鈴
そうなんだ!?
たいへんだ、じゃあちょっとさやか先輩探してくるね!
セラス
セラス
はい、いってらっしゃい!
セラス
セラス
ふう。
小鈴先輩は素直でまっすぐだなあ……。