
泉
泉
……。
泉
泉
……ふぅ。
セラス
セラス
あー!
セラス
セラス
なんで!?
わたしがまた、いちばんじゃなかった……!
泉
泉
は、早いね、セラス。
セラス
セラス
まさか、わたしに勝つために、部室に寝泊まりしてるの……!?
泉
泉
ぜったいにやらないよ。
そんなことをしなくても、あなたには大抵のことは勝てるから。
セラス
セラス
たとえそれが事実だとしても悔しいことに変わりはないからね!?
泉
泉
セラス。
セラス
セラス
なに!?
泉
泉
少し、場所を変えてもいいかな。

セラス
セラス
……屋上?
泉
泉
伝統と芸術の学校。
蓮ノ空女学院。
泉
泉
朝練にやってくる生徒たちも、
そのほとんどがきっと、夢を抱いているんだろうね。
泉
泉
……羨ましいよ。
私は、彼女たちのようには、なれない。
セラス
セラス
……泉?
泉
泉
私にできるのは、これが精一杯だ。
泉
泉
できたよ。 私の、歌詞だ。
セラス
セラス
……見てもいい?
泉
泉
もちろん。
セラス
セラス
ん……。
セラス
セラス
泉、これ……。
泉
泉
痛々しいだろう。
泉
泉
あなたには、見せたくなかった。
泉
泉
それが、私なんだ。
泉
泉
もし、スクールアイドルとして不適切だと思うなら、
また破棄してもらっても構わないから。
セラス
セラス
ううん。
セラス
セラス
これは間違いなく、泉の歌だよ。
他の誰でもない。 泉にしか書けない歌だから。
セラス
セラス
これでいこう、泉。
わたしも全力で、曲を作るから。
セラス
セラス
泉の想いを、奈落の底まで、響かせよう!
泉
泉
……セラス。
泉
泉
私はこれまで、闇の中を歩んでいた。
泉
泉
絶望よりも昏い、諦観の道だ。
泉
泉
私は変わることなどできないと、そう諦めながらも……
ほんの少し、ひとかけらの光を掴みたくて、
ずっと必死に、手を伸ばしていたんだ。
セラス
セラス
……うん。
泉
泉
どこへ向かえばいいのかもわからなくて。
暗闇の森。
泉
泉
行き場をなくしていた私の手を掴んでくれたのは、セラス。
あなただったんだよ。
セラス
セラス
うん……。
セラス
セラス
……え!?
泉
泉
ありがとう、セラス。
あなたが私の光だったんだ。
セラス
セラス
ま、待って!
セラス
セラス
今の、なに!?
泉
泉
なにって。
泉
泉
感謝の気持ちだけれど。
セラス
セラス
素直すぎない!?
泉
泉
一度、しっかりと伝えておこうと思って。
あなたが私の、
セラス
セラス
だから待ってって!
セラス
セラス
誰!? 中身誰!?
セラス
セラス
もしかしてドッキリ!? わたしにギブアップって言わせるために……!
夏合宿の仕返し!?
泉
泉
約束したね。
Edel Noteは一年限りの契約だと。
セラス
セラス
う、ん。
え……? 期間延長の申し出……?
泉
泉
いや、それはしたくない。
泉
泉
あなたを縛り付けることに変わりはないし……Edel Noteに甘えていては結局、
私の情熱はあなた頼みのものになってしまうだろうから。
泉
泉
だから、新たに誓おう。
泉
泉
今度は、契約じゃない。
私があなたとユニットを組みたい。 これが今の私の“願い”だ。
セラス
セラス
願い……。
セラス
セラス
……わかった。
泉
泉
改めてよろしく、セラス。
泉
泉
桂城 泉という名の怪物を、共に打ち倒そう。
セラス
セラス
倒さないよ。
セラス
セラス
ぜったいに、救うんだから。
スクールアイドルという名の、光で。
泉
泉
……そうか。
セラス
セラス
っていうか、まだ泉はスクールアイドルのスタートラインに
立ったばかりだからね! まだなんにも終わってないんだから!
泉
泉
別に、終わった雰囲気なんて。
セラス
セラス
なんか出してたよなんか!
あと七か月! みっちりとスクールアイドルを好きにさせて見せるからね!
泉
泉
それは楽しみだ。
……本当に。
セラス
セラス
わたし曲作るために帰るからね!
じゃあね泉!

セラス
セラス
えっ……な、なに? まだわたしと一緒にいたいの……?
わたしのことがすごく好きだから……!?
泉
泉
いや。
まあ、好きは好きだけれど……寮に戻るよ。
泉
泉
なんだろうな。 無性に、二度寝をしたい気分なんだ。
きょうは、ぐっすり眠れそうだから。
セラス
セラス
あ、そ、そう。
泉
泉
セラス。
泉
泉
私は、スクールアイドルを、好きになれるかな。
セラス
セラス
ていうか好きになってってるよ、もう。
自分が気づいてないだけで。
泉
泉
そうかな?
セラス
セラス
そうだよ。
セラス
セラス
なんたって。
セラス
セラス
このわたしと、蓮ノ空のみんなが、一緒なんだから!
泉
泉
そうか。
泉
泉
……スクールアイドル、桂城 泉、か。
泉
泉
悪くないね。