Link! Like! LoveLive! Explorer
LLLL
|
第8話『今はまだ遥か幽かな光』
第8話『今はまだ遥か幽かな光』

第8話『今はまだ遥か幽かな光』

第8話『今はまだ遥か幽かな光』

8

泉

泉

……。

先輩

先輩

キミと一緒なら天下を取れるよ! わたしは!
一緒に天下を目指そうじゃないか!

泉

泉

ははは、なんだよそれ。

先輩

先輩

やったよ、泉ちゃん! わたしたち……やったんだ!

先輩

先輩

夢がーー叶ったんだよ!!

泉

泉

ああ……。 私たちで掴んだ、夢だ!

先輩

先輩

泉ちゃん、どうして……。

泉

泉

私はもう、あなたと共には、歩めない。

泉

泉

さようなら。

先輩

先輩

泉ちゃん!

先輩

先輩

泉ちゃん、ごめんね……。

先輩

先輩

あなたも、きっと……自分の夢を! 自分だけの夢を、見つけてね!

泉

泉

……先輩。

泉

泉

いったい私は……。
いつになれば、この呪いが晴れるんでしょうか。

泉

泉

それとも……あの時の決断は、間違っていたんですか? 先輩。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

~!

泉

泉

……え?

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

いたぁ~!

泉

泉

……姫芽、ちゃん?

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

はぁ、はぁ……。 やっぱり、ここだった……。

泉

泉

どうして。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

ふへへ……。 もし間違ってたらみんなを巻き添えにしちゃうから……
アタシひとりで、来ちゃったよ~。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

事情は、せらりんから聞いたよ~。
蓮ノ空、辞めようとしてるんだって~?

泉

泉

……。 ああ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

ふぅん。
もう、決めたこと~?

泉

泉

そうだ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

じゃあ、しょうがないっかぁ~。

泉

泉

……私を連れ戻しに来たんじゃないのか?

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

戻ってくる気があるなら、そうするけど~?

泉

泉

……。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

アタシは、まあ、それも仕方ないのかな~って思うよ。
事情は人それぞれ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

いずみんとは仲良くなれたから、寂しいのは同じだけどね。
どこに行ったって別に、ネットでは繋がってるわけだし。

泉

泉

……あなたは話が早くて助かるよ、姫芽ちゃん。
私とあなたは、最初からどこか、似ているところがあったから。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

そ~だね。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

ただ、せらりんは傷つくだろうね~。

泉

泉

……手遅れになるよりは、よっぽどいいさ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

その考え方も、間違ってないと思うよ~。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

ただ、吟子ちゃんならこう言うだろうね。
『逃げるの?』って。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

小鈴ちゃんなら、こう言うかな。
『きっとなんとかなるよ!』って、力強い笑顔で笑って、さ。

泉

泉

……なにが言いたいんだ、姫芽。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

アタシの両親はね、
アタシが小さい頃にとっても遠いところに行っちゃったんだ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

優しくて、大好きだったお父さんとお母さんに、もう会えなくなって……。
毎日、ふさぎ込んでた。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

そんなアタシを救ってくれたのは、
お姉ちゃんが買ってくれたゲーミングPC。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

そのおかげで、また友達ができた。
たくさんの人と繋がることができた。

泉

泉

……それが?

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

でもね、去年。
どうしてもスクールアイドル活動がうまくいかなくて悩んだアタシは、
スクールアイドルのためにゲームを捨てようとしたんだよ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

どっちも中途半端になるぐらいなら、なにかひとつに打ち込むのが正解。
そう思い込んで、ね。
だけど結局、それも間違いだった。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

ひとりで思いつめてるとね、見えるものも、見えなくなっちゃうんだよ。

泉

泉

……それでもあなたには、スクールアイドルが、あったんだろう。

泉

泉

私には、なにもない。
なにもないんだ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

そう思い込んでるのは、いずみんだけだよ。

泉

泉

誰かの夢に寄生することしかできない私は、あなたとは違う!
蓮ノ空に来た私の選択は、そもそもが間違いだったんだ!

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

だからぁ!
それが違うって言ってるんでしょ! 泉!

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

今でも思うよ、アタシは!

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

もしゲームを捨てて本気でスクールアイドル一本に打ち込めば、
もっとうまくいってたのかな、とか!

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

アタシがもっといい子にしてたら、お父さんともお母さんとも、
今も一緒にいられたのかな、とかさぁ!

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

だけど!
人生には、成功も間違いも、ない!

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

どんな不幸が襲ってきても!
ただ自分の選んだ道を正解にするために、毎日がんばるんでしょ!

泉

泉

だったら!

泉

泉

私はどうしてこんなに苦しいんだ!
なにひとつ、捨てたくなんてなかった! 先輩と演劇を続けていたかった!

泉

泉

だが、仕方なかったんだ!
だったらこれが正解だったって、そう自分に言い聞かせるしかないだろう!

泉

泉

あの時、他にも道があったのなら……私は、私は……。

泉

泉

あまりにも……救われないじゃないか……。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

……泉。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

『やりたいことをやれ』。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

それが、アタシが蓮ノ空に入って教えてもらった、偉大な先輩方の言葉。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

見てればわかるよ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

泉が蓮ノ空を離れたくないと思ってるのも、
スクールアイドルクラブの毎日を、楽しいと思ってくれてるのも。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

アタシは、人の楽しいって気持ちに、敏感だからさ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

その気持ちを押し殺して、
誰かのために行動してる人は、ちょっと見過ごせないんだ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

それが友達なら、なおさら、ね。

泉

泉

あ……。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

ねえ、いずみん。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

アタシたち、まだ人生の半分も生きてないんだよ。
その中で、何百回も、何千回も間違ったって思うんだろうけどさ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

ゲームは、始まったばかりなんだよ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

最後まで、どう転ぶかなんて、ぜんぜんわかんなくない?

泉

泉

……人生をゲームに例える、あなたらしい言葉だ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

だからね。 諦めちゃダメなんだよ。
ぜったいに、自分のことだけは。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

去年、竜胆祭の後で、いずみんに言われたよね。
アタシは肝心なときに人に気持ちをぶつけることができないって。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

あのときは、すごく悔しかった。
お前にアタシのなにがわかるんだ~、って思ったよ、正直。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

だけど、それだってほら、乗り越えられた。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

どんなに今がつらくても、苦しくても、
かじりついてさえいれば、どこかできっと逆転できるんだ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

それが、人生ってゲームだと、アタシは思う。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

少なくともアタシは、その気持ちで生きてきたよ。
今も、生きてる。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

最後に勝つまで、何度だってチャレンジできるんだよ。
気持ちさえあれば、ね。

泉

泉

それは、どうすれば最後に、勝ったって思えるのかな。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

そんなの、決まってるっしょ~!

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

『楽しかった』ってそう思えたら、全員ウィナー!
大勝利だよ~!

泉

泉

……そうか、『楽しかった』って、そう思えたら、か……。

泉

泉

そうか……そうか。

泉

泉

私はきっと、心のどこかでこう思っていたんだ。
こんな自分が救われるべきではない、と。

泉

泉

先輩の夢を奪った私を、私自身が許せなかった。

泉

泉

ずっと……世界を灰色に見せていたのは、私の目だ。
私がこの世界を、拒絶したんだ。

泉

泉

どうりで、空っぽなわけだ……。

泉

泉

姫芽。
ようやく、私のやるべきことがわかったよ。

泉

泉

私は、自分で自分を救わなければ、ならなかったんだ。

泉

泉

本当にリベンジするべきは、去年、夢を叶えられなかったことではなく……。
最初に心を閉ざしてしまった私自身だ。

泉

泉

どんな不幸に心を歪められたとしても、諦めず、
私自身の光に、手を伸ばさなければならなかった。

泉

泉

しっかりと自分の気持ちに寄り添い、正面から向き合って……。

泉

泉

そうして、私だけの道を見つけ出し、
これが正解だと信じて、進むしかなかったんだ。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

……うん。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

もし迷って、なにも見つからなくて、不安になったそのときはね。
いつだって誰かがそばに、いてくれるんだから。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

『あなた自身を信じてあげて』って、そう言って、背中を押してあげるために。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

アタシや吟子ちゃん、小鈴ちゃん。 かほせんぱい、さやかせんぱい、
るりちゃんせんぱい。 学校のみんな、そして。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

セラスちゃんが、ずっと、そう叫んでくれてたんだから。

泉

泉

……ああ。
そういう意味だったのか……。

泉

泉

スクールアイドルを好きにさせるということは、すなわち。

泉

泉

ありのままの桂城 泉を、
どうしようもなく肯定する言葉だったんだな……。

泉

泉

ありがとう、姫芽ちゃん。 みんなに伝えてくれ。
私には、やることができた。しばらく蓮ノ空には戻れない、と。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

……どうするつもり~?

泉

泉

もう一度、先輩に会ってくる。

姫芽

姫芽

姫芽

姫芽

……!

泉

泉

そして、向き合うんだ。

泉

泉

どんなに罵声を浴びせられようが、突き放されようが。
そうしなければ、私は前には進めない。

泉

泉

過去を乗り越え、この目を開く。
先輩に預けた夢を、色彩を……人生を、取り戻すんだ。

泉

泉

これが私の、最後のリベンジだ。

泉

泉

行ってくるよ。
私自身を、救うためにーー。

Created by ハムP

|

Oops, accidentally made it

Feedback/ Requests are welcomed on

GitHub

v0.0.0